去る5月10日から、魚滋会で琵琶湖にいた。個人的に調べておきたいことがあり、その前から滋賀県には出入りしていたのだけれど、始まりは10日、長浜駅から。魚滋会と 名をつける前、最初に開催したのが琵琶湖で、その時にもいた方も数名参加した。 前回の時には、沖島に行って、まだ春の魚たちが盛りになる前の時期を楽しんだ。琵琶湖には四季折々の楽しみがあるから、次は別の時期にやりましょうと話していたものの、その後の急速なパンデミックは島での開催可能性を閉ざしてしまった。改めて今年であれば、沖島に再び行くこと選択肢にはあった。ただし、前回と今回の大きく異なるのは自炊という要素のウェートで、そもそも初回は1泊で、自炊要素はゼロだった。 私も、それなりに琵琶湖に長く付き合っているので、どの地域に、どういう尺度の、どういう楽しみがあるかはある程度把握している。新しい人たちの思い思いの動きもある。ただ、魚滋会を企画したコンセプトに立ち返ったとき、やはり地域にもともとある料理の魅力をフラットに再確認する、という点が重視されるので、あまりきをてらうような選択はしないで、むしろ地域にとっては伝統的と思われているものを選んだ。 今はちょうど、琵琶湖の春の盛りから、夏へと切り替わるタイミングにあたる。湖畔を見渡すと水の入った田がまだ完全には面をなしておらず、ところどころに歯抜けがみられる。本来、琵琶湖に近いエリアの田植えはゴールデンウィーク中には済ませるのが通例だったが、次第に遅くなっている。麦作をするところが増えたこともその一因だと思う。開催前日にまとまった降雨があり、水位が上がったことで宿泊地の近くでもフナやドジョウの産卵をみることができた。このような魚について、味の点で言えば最盛期からは落ちる。それでも、その変化にこそ淡水魚の四季がある。 2日目には湖北海津の漁業者、宮崎さんと田村さんに協力を仰いで、たくさんの湖魚をへとへとになるまで料理して食べた。7時半から食べ始めたのに、ようやく寝られたのは2時過ぎだった。
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