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3月, 2023の投稿を表示しています

しらうおの玉子とじ

 今年はしらうお(シロウオ)が高い。おおむね10年前の倍くらいに高騰している状態だ。シロウオの産地は北海道から熊本に至る日本各地にあるけれど、年々産地は減っているうえ、それぞれの産地での漁獲量も基本的には横ばいというより右肩下がりになっているところが多い。本種の住む沿岸環境や、産卵場所の環境の問題が大きい。特に河口域からの石、礫の減少が大きな影響を与えている。このような減少はダムや堰堤など、いわゆる横断工作物によって引き起こされている。かつて、1トンをゆうに超える(帳簿が残っている範囲で2トンとも言われる)漁獲のあった室見川では、ついに漁獲が50キロを下回るようになり今シーズンは休漁している。しかし、卵を産む場所がないのだから漁を休んだところで回復するわけがない。全国の多くの漁場が似たり寄ったりの状況にさらされていることを深刻に捉えるべきだろう。 さてそのシロウオ(この地では明確にしらうおと発音する)を買ってきて、することと言ったらやはり玉子とじだ。今年は鳥インフルエンザの影響で玉子も値上がりしている。 シロウオの玉子とじには、やたらに味をつけない方がいい。シロウオそのものにハゼらしいうまみがあるからこれを損なわないようにする。しかしうすすぎても味がボケる。 今回はつくしとわらびも加えるので、それらはあらかじめ下処理しておく。小鍋に水一合を沸かして、うすくち醤油、酒、みりんを各大さじ1。そこに上白糖を小さじに二杯加える。つくし20本を半分に切って加え、中火で少し炊いてからシロウオを加える。シロウオは生きているものの表面をさっと水洗いする程度でかまわない。火は中火のまま、シロウオを50グラム、ざっと40匹程度加えて、しっかり白くなったらわらびの芽を加え、すぐに玉子2個分をかけ回す。菜箸で少し整えて、火を切ってふたをして熱を通す。シロウオ単体の玉子とじもぜいたくでいいけれど、ここにつくしが入ると苦みが加わって楽しい、季節感のあるものになる。悪く言えばかさ増し。

きなこもち

私は小さい頃異常なほどにきなこもちが好きで、このもちをしょっちゅう食べていた記憶がある。このあるごとに祖母からもらうつきたてのもち、そして近所の振る舞いで年に数回我が家にやってくる五目もち(ただしこういう呼び名があったわけではない)の中でも真っ先に食べていたのがきなこもちだった。それがいつしかあまり食べなくなり、家でせがむこともなくなった。おそらく、中学に上がる頃には自分の中での“流行り”は終息していた。 ところで最近はときたまきなこもちが食べたくなることがある。それで、我が家には上等なきなこを常備することにして、食べたいときにきなこもちを食べる。 はじめてきなこの調合を任された時、こんなにたくさんの砂糖を入れないと理想の味にならないのか、と思ったものだ。それはポテトサラダにマヨネーズが思ったよりもたくさん入っていることに似ている。きなこ(味付けきなこ)はとにかくたくさんあった方がいいから、余ってもいいのでたくさん作る。当たり前だがきなこというのは大豆の粉で、おのずから甘みがあるわけではないので自分で調合する。分量はきなこと、上白糖をかさで等量入れてかまわない。少し甘さを控えるなら、上白糖の量はきなこの8割程度にする。ここに塩を少々加える。きなこの総量にもよるので少々としか書けないけれど、少なくともたしかに塩が入っていると感じられる程度に加える。ぜんざいにも塩が入っているでしょう、この塩が大事。もちは解凍したら焼いて、焼き上がったものを沸騰した湯に放り込む。20から30秒ほどで取り出し、きなこをたっぷりとつけて食べる。焼いただけではもちの表面にきなこがつかない(小学生の自分の失敗を書いている)。 きなこは、一度つけるだけにしないで、ひとくち食べては断面にまたつけ、を繰り返して食べていく。昔、きなこもちをたくさん食べる時に、湯を横に置いて、湯にもちを通しながら食べていたような記憶がある。あれはどこの記憶だろうか。ちなみに、きなこもちにさらに佃煮の汁をかけて食うとうまい。