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春、たけのこを魚と炊く

たけのこというものは案外高級品だし、自分で茹でてあく抜きすると分かるのだけれど、外皮のかなりの部分が食べられない部分なのであって、しかも小さなものほど高いときている。それでも、年中流通している真空パックのたけのこと、茹でたばかりの新しいたけのこは風味からして全く異なるもの。そういうわけで、たけのこを少しだけ買ってきて、薄味でおとなしく炊いてみる。たけのこは大好物だ。
まずはサバとソウダ(基本的にはゴマサバとマルソウダだろう)の厚削りを煮立てないように煮出してから、沸騰直前にさらさらっとかつお節を振ってだしをとる。そこへ出がらしの昆布を敷いて、酒を入れて煮立てたら湯引きしたマトウダイ半身分と実山椒をばらばらと、あとは鷹の爪をひとかけ入れる。マトウダイにおおかた火が通ってきたら、たけのこを入れる。たけのこはほどほどの大きさのもの1本を、頭はくし切り、おしりのほうはいちょう切りにして、さっとすすいでから加える。そこへこいくち醤油を10滴ほど、白醤油をちょこに一杯より少ない程度、みりんを等量加えてやり、しばらく中火というより、弱火かもしれないような塩梅で煮る。魚やたけのこからあくが出てくるので、丁寧に取ると汁が澄んでくる。最後にさわらの昆布締めを厚めに切って入れて、塩で味をととのえる。この間焦って火を強くしてはいけない。



年に一度くらいは、いちからきちんとだしを取って、時季のたけのこをほんの薄味で炊き合わせる。こういうことがぜいたくだと思うんですね。

今日は合わせるものに悩んだ末に、マトウダイとサワラの昆布締めを使ってみた。大正解。マトウダイは春の魚。サワラは魚へんに春と書くけれど、旬は明らかに晩秋から冬。今回のサワラは年末に買った答志島の4キロ程度のものを昆布締めにして冷凍してあった。魚へんに春と書くのは、単に春にたくさん捕れたからだろう。

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