りゅうきゅうというのは平たく言わなくても魚の漬け料理であって、大分から宮崎にかけての呼び名だ。この地域で白ごはんにりゅうきゅうを乗せて、お茶をかければいわゆるあつめしになり、対岸の宇和島ではひゅうがめし(日向飯)となる。こういう呼び名から、その料理の伝播とその源流がなんとなく分かってくる。しかし実際には琉球(沖縄地方)では漬け食文化はほとんどないので、単に南の方という意味でのりゅうきゅうならば、もしかすると八丈島周辺だったりするのかもしれない。ついでに言うと紀伊半島のいくつかの地域に見られるべっこう寿司(漬けにした魚の身を握り寿司にしたもの)は、伊豆諸島や八丈島周辺のべっこう寿司、島寿司の影響を色濃く受けたものだ。こういう地域はカツオ漁を通しての文化交流があった。宮崎もカツオ漁が盛んなところなので、あながち誤りではないのではないだろうか。漬けといえば福岡には今や名物とも称されるごまさばがあるけれど、古い文献でごまさばの名称を見ることはない。北九州ではかつて青魚の漬け茶漬けを食べる習慣はなかったというし、福岡のごまさばは比較的最近に近傍島域のマイナーな文化がごまさば、あるいはごまかんぱちという呼び名を獲得したことによって、一気に広がったものなのではないだろうか。
閑話休題、この日は朝から非常なむし暑さに苛まれていた。食欲どころか生きる気力もなくなっていく。そんな日にホウライヒメジでりゅうきゅう。厚めに切った刺身を醤油(甘くないもの)とみりんを等量で割ったものにしばらく浸けただけ。浸ける時間は短めがよく、だいたい10分ほど。ここへすりゴマと大葉、ねぎを混ぜて、うすく切ったきゅうりの上へ盛る(きゅうりは単なる飾り)。ゴマを擂った鉢に盛る無作法をはたらいて、かきこむように食べる。りゅうきゅうは漁師飯なので、ちょっとくらい無作法なほうが洒落ていると言えるかもしれない。
ところでこのりゅうきゅうにはマアジがたびたび使われるけれど、白身でもおいしい。少し厚めに切ってもいい、食感のよいもの、それでいて味の濃いものに相性がいい。
閑話休題、この日は朝から非常なむし暑さに苛まれていた。食欲どころか生きる気力もなくなっていく。そんな日にホウライヒメジでりゅうきゅう。厚めに切った刺身を醤油(甘くないもの)とみりんを等量で割ったものにしばらく浸けただけ。浸ける時間は短めがよく、だいたい10分ほど。ここへすりゴマと大葉、ねぎを混ぜて、うすく切ったきゅうりの上へ盛る(きゅうりは単なる飾り)。ゴマを擂った鉢に盛る無作法をはたらいて、かきこむように食べる。りゅうきゅうは漁師飯なので、ちょっとくらい無作法なほうが洒落ていると言えるかもしれない。
ところでこのりゅうきゅうにはマアジがたびたび使われるけれど、白身でもおいしい。少し厚めに切ってもいい、食感のよいもの、それでいて味の濃いものに相性がいい。