我が家にはたんまりドジョウがあるので、普段ならまず作ることのなさそうなものもやってみた。
●ドジョウの丸煮(佃煮)
いまどきはどうか知らないが、かつての佃煮はもっともっと醤油辛かった。その最たるものが関東の佃煮であったということは、今でも先達から聞き取ることができる。そういうわけで、一昔前の関東風の佃煮を作る。ドジョウは酒で大人しくしてから、一旦湯にくぐらせて真っ直ぐに伸ばしておく。そのままやってもいいけれど、この方が煮崩れが少ない。鍋に煮汁を作る。水を2カップ、酒を2分の1カップ。酒と同程度の量のみりん、それに濃口醤油(甘くないもの。千葉で作られているものがよい)を大さじ3杯から3杯半加える。煮立てたらごぼうのやや厚いささがきと、ねぎを少し加えて、それからドジョウを入れる。沸騰したら弱火に落として、20分ほど煮て一晩休ませる。もう一度火を加えて、弱火で煮汁が煮詰まるまで煮る。この間、特に煮汁が熱いうちはドジョウが煮崩れしやすいから、箸でみだりにかき混ぜたりしない。もっと昔風にするなら、みりんの量をさらに半分に減らす。でもこれはあまりおいしいとは思わない。
●蒲焼き
ドジョウの蒲焼きを出す店は各地にある。ドジョウという魚は開いてから食べられることもあるが、基本的には煮るか、あるいは焼いてから煮るのが通例であって、蒲焼きというのはほとんど外食でしか見られない文化とも言える。蒲焼きの形態は主として3タイプあり、丸のまま串を打ったもの、開いて骨を取らずに串を打ったもの、ウナギのように開いてから背骨まで取ってあるものだ。愛知県東部では最初のタイプが、金沢では真ん中のタイプが中心になる。開いて骨まで取るような大きなものは養殖ドジョウでしかあり得ないだろう。串はウナギのように一匹丸ごとに対して何本も打つより、二分あるいは三等分して串にするのがよい。骨付きのものなら骨のある側から串打ちするほうが簡単で、縫い刺しのようにする。
●ドジョウの丸煮(佃煮)
いまどきはどうか知らないが、かつての佃煮はもっともっと醤油辛かった。その最たるものが関東の佃煮であったということは、今でも先達から聞き取ることができる。そういうわけで、一昔前の関東風の佃煮を作る。ドジョウは酒で大人しくしてから、一旦湯にくぐらせて真っ直ぐに伸ばしておく。そのままやってもいいけれど、この方が煮崩れが少ない。鍋に煮汁を作る。水を2カップ、酒を2分の1カップ。酒と同程度の量のみりん、それに濃口醤油(甘くないもの。千葉で作られているものがよい)を大さじ3杯から3杯半加える。煮立てたらごぼうのやや厚いささがきと、ねぎを少し加えて、それからドジョウを入れる。沸騰したら弱火に落として、20分ほど煮て一晩休ませる。もう一度火を加えて、弱火で煮汁が煮詰まるまで煮る。この間、特に煮汁が熱いうちはドジョウが煮崩れしやすいから、箸でみだりにかき混ぜたりしない。もっと昔風にするなら、みりんの量をさらに半分に減らす。でもこれはあまりおいしいとは思わない。
この丸煮は私には少々味付けが辛いので、まぜご飯にするとおいしい。ドジョウを適当な大きさに刻んで、ゴボウとともにごはんに混ぜるだけ。
●蒲焼き
ドジョウの蒲焼きを出す店は各地にある。ドジョウという魚は開いてから食べられることもあるが、基本的には煮るか、あるいは焼いてから煮るのが通例であって、蒲焼きというのはほとんど外食でしか見られない文化とも言える。蒲焼きの形態は主として3タイプあり、丸のまま串を打ったもの、開いて骨を取らずに串を打ったもの、ウナギのように開いてから背骨まで取ってあるものだ。愛知県東部では最初のタイプが、金沢では真ん中のタイプが中心になる。開いて骨まで取るような大きなものは養殖ドジョウでしかあり得ないだろう。串はウナギのように一匹丸ごとに対して何本も打つより、二分あるいは三等分して串にするのがよい。骨付きのものなら骨のある側から串打ちするほうが簡単で、縫い刺しのようにする。
骨がついていてもついていなくても、要領は同じだ。これを魚焼きグリルでやや強い火で焼く。薄いのですぐに焼けるが、面倒がらずに何度かひっくり返しながら焼く。身の面と皮の面と、表面に脂が染み出てきたくらいが焼け頃で、ここへタレを塗って焼き、もう一度タレを塗って仕上げる。
●マース煮
沖縄ではほとんどすっかり廃れてしまったが、川や田んぼで捕れる魚、ターイユ(フナ)、ドジョウ、タァンナギ(タウナギ)、イーブー(大型のハゼ類)などもマース煮や醤油煮で食べていた。フーチバー(ヨモギ)と煮たものは薬膳の役割を担っていたらしい。鍋に水を1と2分の1カップ、泡盛を2分の1カップ、ここに島の海塩を小さじに1杯加える。煮立ったらまるごとのドジョウと、豆腐(内地では硬めの木綿豆腐をよく水切りして使うとよい)、ねぎ、しょうがの薄切りをまとめて加えて、10分ほど強火で煮る。島唐辛子を入れると香りがいいし、少し辛いほうがいい。胆嚢の苦みをマスクするものがなにもないので、少し苦い味わいになる。