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明石の小ダコでたこめし

福岡にやってきてからというもの、タコを全然食べなくなっている。タコというのは我々若くて貧しい人間にとってはぜいたく品だ。しかも、下手に少し安い輸入解凍品の茹でダコなど買おうものなら確実に後悔する。島暮らしをしていた頃には自分でマダコやスナダコ、テナガダコといったものを比較的頻繁に捕っていたので、大きなものは切り分けて、小さなものは丸のまま冷凍しておいて、食べたいときに使っていた。今思えばぜいたくの極みのような暮らしである。ちなみにどうやって捕っていたかというと、カゴに入ったものを捕ったり、潜って岩穴にいるものをヤスで突いたり、あるいは夜に灯りを焚いて、寄ってきたものを掛け針で引っ掛けたりしていた。
さてそんな高級なマダコを、明石のたこの会のたこさん(タコではなく、人間)から送っていただいた。小さなタコが2杯と、中ぐらいのものが1杯。このうちの小さなタコ、100グラムくらいのものを使ってたこめしを作ることにする。米2合は洗ってよく浸水させる。タコはざるに入れて塩を振り(大さじに1杯もあればいい)、ざるに押し付けるようにして塩揉みする。そのあと水でよくすすぐとおよそヌメリが取れてくる。これを適当な大きさに切る。足の部分は長さが1から2センチくらい。もちろんもっと大きくてもいい。頭の部分も目と口のあたり以外はぜんぶ刻む。炊飯器に米と、水を1.2合分。柔らかいものが好きな方は1.5合分くらい入れて、薄口醤油を大さじ2杯、みりんを大さじ1.5杯加えてかき混ぜる。その上に洗った昆布を乗せて、さらにその上に刻んだタコを平たく広げて乗せる。最後に香りづけに実山椒を適当にぱらぱらと加える。今の時期は生のものがあるからそれを使う。あとは普通に炊くだけでできる。炊き上がったら、昆布と実山椒を取り出して、タコとご飯とをよく混ぜておく。味見をしてみて塩気が足りなかったら少し塩を振ったらいい。


たこめしは生から炊くのがいちばん。香りも、味も、丸ごとタコというかんじがする。大きなタコを使う場合には身が堅くなりがちなので、うすく削ぐように切ったものを使うほうがいい。

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