このところの忙しさは常軌を逸したものだったようで、出張や体調不良も重なり一切の更新ができずにいた。有明海の湾奥西部にあたる佐賀鹿島では、さざれと呼ばれるシラタエビを煮た汁を使ってそうめんを食べるという。このことは少し前に聞いていたのだけど、たまたま機会があって漁師さんの家でいただくことができた。
写真手前にさざれがあり、その奥に煮汁がある。煮汁そのまま、あるいは少しだけ市販のめんつゆを加えて、そこにねぎと、青ごしょう(青唐辛子のこと)を加えて、さらにさざれそのものも加えてそうめんを食べる。
エビの風味は実に味わい深いもので、豊かな有明の海を口いっぱいにかんじる。このさざれは棚じぶという、大きな四つ手網を水が満ちているときに上下させて、網の上を通る魚介類を捕るという、きわめて原始的な方法で捕られたものだ。かなりの頻度で網を上げるのだけれど、ちゃんと生き物が入ってくる。現在でもこれなのだから、かつてのまえうみ、有明海の豊かさというのはいかほどであったのだろう。シラタエビ自体の分布は有明海に限らず日本の各地内湾のようだけど、こんな風におかずとり(古い鹿島の方はおかずのことをしゃ、あるいはしゃあと言う)としてシラタエビが捕れるのは有明海、それも今となっては限られたエリアだけだろうね。
さてこのそうめん汁を自分でも作ってみる。さざれは傷むのが早いから、とにかく新しいものを使う。小鍋に水2カップ、酒と薄口醤油をお玉に各1杯、それにきび砂糖を大さじに3杯で煮汁を作る。白砂糖だとくどくなるので、きび砂糖か、はちみつがよい。煮汁を煮立てて、ここにさっと水洗いしたさざれ(ふたつかみだから、だいたい200グラムくらいだろう)をばっと加える。再度沸騰させて、あくを2回ほど取る。取りすぎると味におもしろみがなくなる。中火で15分ほど煮たら火を止めて冷ます。ある程度冷めたらエビと煮汁を分けて、それぞれ冷蔵庫に入れておく。エビは煮汁を吸い取るので、水加減が少なかったら煮ている途中に水を差しておく。エビはそのままおかずになるし、野菜と炊き合わせにするのもおもしろい。きっとほかのエビでもできるのだろうけど、この殻の柔らかさはさざれに独特のものだ。
写真手前にさざれがあり、その奥に煮汁がある。煮汁そのまま、あるいは少しだけ市販のめんつゆを加えて、そこにねぎと、青ごしょう(青唐辛子のこと)を加えて、さらにさざれそのものも加えてそうめんを食べる。
さてこのそうめん汁を自分でも作ってみる。さざれは傷むのが早いから、とにかく新しいものを使う。小鍋に水2カップ、酒と薄口醤油をお玉に各1杯、それにきび砂糖を大さじに3杯で煮汁を作る。白砂糖だとくどくなるので、きび砂糖か、はちみつがよい。煮汁を煮立てて、ここにさっと水洗いしたさざれ(ふたつかみだから、だいたい200グラムくらいだろう)をばっと加える。再度沸騰させて、あくを2回ほど取る。取りすぎると味におもしろみがなくなる。中火で15分ほど煮たら火を止めて冷ます。ある程度冷めたらエビと煮汁を分けて、それぞれ冷蔵庫に入れておく。エビは煮汁を吸い取るので、水加減が少なかったら煮ている途中に水を差しておく。エビはそのままおかずになるし、野菜と炊き合わせにするのもおもしろい。きっとほかのエビでもできるのだろうけど、この殻の柔らかさはさざれに独特のものだ。