このところマース煮をよく作る。マース煮ばかりだと思われても仕方がないけれど、この料理はあっさりとしていて、簡単で、おいしい。こんなに夏向きな料理もないと思う。マースというのはウチナーグチ(沖縄語)で言うところの塩のこと。塩と泡盛と水だけで煮る、素朴な料理だ。基本は水1カップ半に、泡盛を4分の1カップ、塩を小さじ1ないし1.5杯。これを煮立てて、切れ込みを入れた魚を加えて、強火で火の通るまで煮るだけである。味見してみて、少し塩気が濃いなーと思うくらいでちょうどいい。なお島の海塩を使うなら、普通の食塩とは塩辛さがちがうので分量も当然変わってくる。強火で煮るのは、泡盛のアルコールによって魚の臭みを飛ばすのと、身の中にできるだけ塩気を染み込ませないようにするためで、弱い火だと生臭くて塩辛い料理に成り果ててしまう。塩気はあくまで纏うものである。このマース煮、一緒に色々と煮ることが多い。私は生姜(新生姜ならそのものも食べられる)の薄切りを加えることが多くて、ときににんにくも入れる。ゴーヤーやツルムラサキ、ししとうなどの野菜と炊き合わせるのもいい。苦いのが得意ならフーチバー(ヨモギ)もいい。少しだけクセがある、またはにおいのあるもので、早く煮上がるものが好ましい。島豆腐、なければ固い木綿豆腐や、厚揚げと煮るのもいい。ほかにはアーサー(アオサ)や、ワカメをさっと入れて煮るのもうつくしい。
この日はメイチダイに合わせて、ゴーヤーとツルムラサキ、木綿豆腐。メイチダイに5割、火が通ってから豆腐とゴーヤーとを加える。ツルムラサキは本当に最後に入れないと、くたくたになってしまうし、汁がすっかり紫色になってしまう。ツルムラサキというのにつるまで緑色のものばかり目にするけれど、紫のほうが変化があって楽しい。ゴーヤーは苦いのが得意でない場合には、冷蔵庫で少し熟させてから使うといいだろう。
マース煮にしてうまいのは、まずエーグワァーやカーエー。グルクンやクルキンマチのように、癖のないふわふわの肉質のものもいい。あとはミーバイやアカジン。意外と悪くないのがマンビキ。普通にアジ科の魚でやるのも悪くない。アカナーなどは醤油で煮た方がうまいと思う。意外にいいのがシジャーのような魚。ムルーやトカジャーはにおいが気になるのであまりよくない。魚の名前はすべてウチナーグチであるので、気になる方は調べてみてほしい。最近はしまんちゅでも魚の名前を知らないひとが増えているような、気がしないでもない。
この日はメイチダイに合わせて、ゴーヤーとツルムラサキ、木綿豆腐。メイチダイに5割、火が通ってから豆腐とゴーヤーとを加える。ツルムラサキは本当に最後に入れないと、くたくたになってしまうし、汁がすっかり紫色になってしまう。ツルムラサキというのにつるまで緑色のものばかり目にするけれど、紫のほうが変化があって楽しい。ゴーヤーは苦いのが得意でない場合には、冷蔵庫で少し熟させてから使うといいだろう。
マース煮にしてうまいのは、まずエーグワァーやカーエー。グルクンやクルキンマチのように、癖のないふわふわの肉質のものもいい。あとはミーバイやアカジン。意外と悪くないのがマンビキ。普通にアジ科の魚でやるのも悪くない。アカナーなどは醤油で煮た方がうまいと思う。意外にいいのがシジャーのような魚。ムルーやトカジャーはにおいが気になるのであまりよくない。魚の名前はすべてウチナーグチであるので、気になる方は調べてみてほしい。最近はしまんちゅでも魚の名前を知らないひとが増えているような、気がしないでもない。