今年はサンマが不漁だ。今年に限らず、ここ数年不良傾向が継続している。その理由はサンマ資源そのものがやや縮小していることや、形成される漁場(魚群)が日本からはかなり遠い位置にあることで、他国による乱獲に主原因を求めるのはおかしい。そうは言っても、マイワシが高級魚となった90年代に、庶民の食卓を支えたのは他ならぬサンマであるし、この魚が高値になってしまったことを嘆く向きにも同情の思いがある。加えて、サンマが日本列島に寄りつかないことは静岡や熊野といった、南日本での枯れサンマ(脂の抜けたサンマ)利用の文化に大きな打撃を与えていることも憂慮している。
私はサンマが好きだが、年に何度も食べたいとは思わない。あくまで季節ものとして、年に1回食べられればいい。漁場が近付いてようやく、サンマの値段が落ちてきた。昨年は11月に満点のサンマを見つけて買ったのが、今年はどうにもこれだというものに巡り逢わない。仕方がないのでどんぐりの背比べの中で、多少まともな2本入りのサンマを買う。サンマのよしあしは、主に顔つきと背中のかたちで判断する。
2本のうち、1本は75点のサンマだった。私は強めに振り塩して、10分ほど置き出てきた水分を軽く拭き取って(この際塩も少し拭き取る。完全に拭き取ってはいけない)、焼くのが好みだ。さてもう1本はそのままで塩焼きにして食べるのでは芸がない。そこで茶漬けにしてみた。
塩焼きしたサンマを頭、骨、身に分け、半身と頭とをご飯に乗せ、さらに白ネギを少し刻んで、あとは熱い茶をかける。味付けはサンマの味と、塩気だけ。サンマの脂と茶の組み合わせは驚異的で、飯抜きの茶漬け(これなら茶かけだろう)でもおいしい。茶漬けというとどこか安っぽい、下な雰囲気が出てしまうけれど、一人暮らしのおやつにはちょうどいいし、朝ごはんとしてもいいだろう。サンマは焼き立てである必要はなく、前の晩に焼いておけばよい。
熊野には枯れサンマを使った丸干しがある。この脂の抜けた塩気の強いサンマはこの地域の朝食の定番だが、もちろんこれを茶漬けにするのもうまい。今年はサンマが寄ってくれるといいな。大漁祈願。
私はサンマが好きだが、年に何度も食べたいとは思わない。あくまで季節ものとして、年に1回食べられればいい。漁場が近付いてようやく、サンマの値段が落ちてきた。昨年は11月に満点のサンマを見つけて買ったのが、今年はどうにもこれだというものに巡り逢わない。仕方がないのでどんぐりの背比べの中で、多少まともな2本入りのサンマを買う。サンマのよしあしは、主に顔つきと背中のかたちで判断する。
2本のうち、1本は75点のサンマだった。私は強めに振り塩して、10分ほど置き出てきた水分を軽く拭き取って(この際塩も少し拭き取る。完全に拭き取ってはいけない)、焼くのが好みだ。さてもう1本はそのままで塩焼きにして食べるのでは芸がない。そこで茶漬けにしてみた。
塩焼きしたサンマを頭、骨、身に分け、半身と頭とをご飯に乗せ、さらに白ネギを少し刻んで、あとは熱い茶をかける。味付けはサンマの味と、塩気だけ。サンマの脂と茶の組み合わせは驚異的で、飯抜きの茶漬け(これなら茶かけだろう)でもおいしい。茶漬けというとどこか安っぽい、下な雰囲気が出てしまうけれど、一人暮らしのおやつにはちょうどいいし、朝ごはんとしてもいいだろう。サンマは焼き立てである必要はなく、前の晩に焼いておけばよい。
熊野には枯れサンマを使った丸干しがある。この脂の抜けた塩気の強いサンマはこの地域の朝食の定番だが、もちろんこれを茶漬けにするのもうまい。今年はサンマが寄ってくれるといいな。大漁祈願。