いよいよ冬も本番になってきた。ここ福岡では晴れ間が少なくなり、どんよりと鉛色の日が増えてくる。いくら九州と言えども、この地が日本海に面しているということを実感する。
古い雑煮の資料を読んでいたときに、一番シンパシーを感じたのが金沢の雑煮だ。私の生まれ育った尾張の雑煮は、シンプルの極みであるもの。その実もちを除いてはもち菜とかつお節しか入っていない、すましの汁だ。こういう雑煮は長野や関東にもあるけれど、その代表選手は金沢だ。
金沢の雑煮の基本形は、せりともちのみ。または、そこにかまぼこが入る。近年では他にもかつお節を振りかけたり、鶏肉を入れることがあるらしい。そうしたくなる気持ちは分かる。だいたいシンプル雑煮のエリアでは、どこも具が増えてくる傾向にある。さてその作り方はいたってシンプル。水3カップに洗った昆布を浸して一晩置く。これを火にかけ、沸騰直前で取り出す。その後は沸かして火を止め、かつお節を加えてかつおと昆布の合わせだしとする。かつお節を濾したら沸騰させてうすくち醤油を小さじ2分の1、塩を小さじ2分の1、みりんを大さじ1、酒を大さじ1加えて、その汁でもちを柔らかくなるまで煮る。煮あがったらお椀に移して、最後に刻んだせりを添える。
汁はだいたい3人前の分量。せりの香りとわずかな苦み、これに上品で繊細な澄ましの味をじんわりといただくもの。西日本に住んでいるとこういう感覚は持ちようがないけれど、東日本ではせりの入った雑煮は多い。味付けが軽いので、だしの良さが生きる。こういうときにはいいかつお節を使いたい。せっかくなので2椀目はかまぼこと、刻んだゆずの入ったものにした。こちらも、金沢に伝統的なもののようだ。
古い雑煮の資料を読んでいたときに、一番シンパシーを感じたのが金沢の雑煮だ。私の生まれ育った尾張の雑煮は、シンプルの極みであるもの。その実もちを除いてはもち菜とかつお節しか入っていない、すましの汁だ。こういう雑煮は長野や関東にもあるけれど、その代表選手は金沢だ。
金沢の雑煮の基本形は、せりともちのみ。または、そこにかまぼこが入る。近年では他にもかつお節を振りかけたり、鶏肉を入れることがあるらしい。そうしたくなる気持ちは分かる。だいたいシンプル雑煮のエリアでは、どこも具が増えてくる傾向にある。さてその作り方はいたってシンプル。水3カップに洗った昆布を浸して一晩置く。これを火にかけ、沸騰直前で取り出す。その後は沸かして火を止め、かつお節を加えてかつおと昆布の合わせだしとする。かつお節を濾したら沸騰させてうすくち醤油を小さじ2分の1、塩を小さじ2分の1、みりんを大さじ1、酒を大さじ1加えて、その汁でもちを柔らかくなるまで煮る。煮あがったらお椀に移して、最後に刻んだせりを添える。
汁はだいたい3人前の分量。せりの香りとわずかな苦み、これに上品で繊細な澄ましの味をじんわりといただくもの。西日本に住んでいるとこういう感覚は持ちようがないけれど、東日本ではせりの入った雑煮は多い。味付けが軽いので、だしの良さが生きる。こういうときにはいいかつお節を使いたい。せっかくなので2椀目はかまぼこと、刻んだゆずの入ったものにした。こちらも、金沢に伝統的なもののようだ。