今年の冬は本当に暖かいうちに終わりを迎えた。特にここ福岡では目立った雪がない。山の方を見ても全然白いところがないのだ。雪融け水、いわゆるユキシロの不足は、川のいのちにとっては致命傷になりうる。もちろん、川とつながっている海にたいしてもなんらかの影響が出てくるだろう。
暖かい冬のせいか、春になって出てくるものの早いこと。川の土手には早くもつくしが顔を出すどころか、すでに頭のほうけているものもある。これをふたつかみほど摘んで帰り、白魚とともに春を味わうことにする。
つくしはまだ十分に胞子を含んでいるものと、もう胞子が出尽くしてはいるものの、茎にしっかり水気のあるものとを半々で摘んでくるのがすきだ。土から出ている部分だけを、指先でつまむようにして、人差し指と親指をスライドさせて折り取る。うまく折れないものはだめで、水気が抜けてしおれてきているものだ。ざっと水洗いして表面の土埃を落としたら、袴を取り除いていく。爪先できっかけを作り、ぐるりと剥き取っていく。袴を取り終えるとかさが2割ほど減ったようなかんじになる。
鍋にたっぷりと湯を沸かし、つくしを放り込んで1分強火で茹でる。茹でたら冷水にとり、しばらく(15分くらい)おいて、それから新しい冷水ですすいで手で絞る。これで下ごしらえのできあがり。たくさんある場合にはこの状態で冷凍しておくこともできる。
鍋に水2カップ、濃口醤油大さじ1、薄口醤油大さじ2、みりん大さじ3、上白糖小さじ2を溶いて沸かし、つくしをひとつかみ入れて5分ほど中火で煮る。そこへ長さ5センチほどに刻んだセリと、白魚を加えて、1分ほどで溶き卵2個分をかけ回す。好みにもよるが15秒ほどで火を止める。これでだいたい3人分、小鉢にしたら4人分ともいえる。
つくし、せり、白魚の苦みの演出は、春の詰め合わせだ。もちろんつくしだけでも十分においしいし、色味には菜の花(先に茹でて絞っておいたものを使う)もいいだろう。白魚の異名につくしうおというのがあり、これは筑紫の国で獲れることと、茹でると「つ」の字をなすことに由来するという。白魚のあれこれ、詳しいことについては次稿に譲りたい。
暖かい冬のせいか、春になって出てくるものの早いこと。川の土手には早くもつくしが顔を出すどころか、すでに頭のほうけているものもある。これをふたつかみほど摘んで帰り、白魚とともに春を味わうことにする。
つくしはまだ十分に胞子を含んでいるものと、もう胞子が出尽くしてはいるものの、茎にしっかり水気のあるものとを半々で摘んでくるのがすきだ。土から出ている部分だけを、指先でつまむようにして、人差し指と親指をスライドさせて折り取る。うまく折れないものはだめで、水気が抜けてしおれてきているものだ。ざっと水洗いして表面の土埃を落としたら、袴を取り除いていく。爪先できっかけを作り、ぐるりと剥き取っていく。袴を取り終えるとかさが2割ほど減ったようなかんじになる。
鍋にたっぷりと湯を沸かし、つくしを放り込んで1分強火で茹でる。茹でたら冷水にとり、しばらく(15分くらい)おいて、それから新しい冷水ですすいで手で絞る。これで下ごしらえのできあがり。たくさんある場合にはこの状態で冷凍しておくこともできる。
鍋に水2カップ、濃口醤油大さじ1、薄口醤油大さじ2、みりん大さじ3、上白糖小さじ2を溶いて沸かし、つくしをひとつかみ入れて5分ほど中火で煮る。そこへ長さ5センチほどに刻んだセリと、白魚を加えて、1分ほどで溶き卵2個分をかけ回す。好みにもよるが15秒ほどで火を止める。これでだいたい3人分、小鉢にしたら4人分ともいえる。
つくし、せり、白魚の苦みの演出は、春の詰め合わせだ。もちろんつくしだけでも十分においしいし、色味には菜の花(先に茹でて絞っておいたものを使う)もいいだろう。白魚の異名につくしうおというのがあり、これは筑紫の国で獲れることと、茹でると「つ」の字をなすことに由来するという。白魚のあれこれ、詳しいことについては次稿に譲りたい。