本当に暑くなってきてしまった。地球は今後も暑くなりつづけるという。どこかでいくらかの生物は淘汰されていくことになるだろうし、私にもその危険がある。
さて、先週はフォロワーのけもさんから、陣中見舞い的にさまざまな食材を恵送いただいた。そのうちに実に良質なイノシシの肉があった。私がイノシシのすばらしさを知ったのは、シゲさんのお爺さんのとったものを食べさせてもらったときに遡る。実に15年も前のことになる。おっかなびっくりな私に、シゲさんは普通の肉みたいに焼き肉にして食べると教えてくれた。それまでは、イノシシの肉は味噌のぼたん鍋にして食べないと臭くて食べられないと聞かされていた。しかしこれは明らかな誤りであって、塩コショウだけでホットプレートで焼いたしし肉は忘れ得ないうまさだった。あれは処女雌だった。それからというもの、幾度となくイノシシを食べ、その質のばらつきに毎回の発見がある。
さて、今回のものは封を切って匂いを嗅ぐだけで明らかに質のいいものだと分かる。まずは何の工夫もなく、玉ねぎと空芯菜と塩コショウで炒めてみる。これがとびきりのいいものだと分かる。逆に言うと、全くクセのないもので若干の物足りなさすらあるものだった。そこで、残りについては香り付けした湯で湯引きと、そして時雨煮を作ってみた。ここでは時雨煮について書き留めておきたい。
時雨煮にもさまざまなスタイルがあるだろうが、今回はとにかく肉のよさを活かしたい。水1カップ半に新ゴボウ1本を粗いささがきにして加え、火にかける。新ゴボウはあくが少ないので、ささがきにしたらさっと水洗い程度で火にかけていい。中火で煮たったら少しだけ火を弱めて、15分ほど煮る。ここへざらめを大さじ1加えて、また5分煮る。酒1カップを加えて火を中火に戻し、煮立ったところへイノシシのロース肉200グラムの薄切り肉を粗切り、しかしほとんど切らないで少しずつ落とし、箸でほぐしながらそのまま火を通していく。あくはとらないこと。火が完全に通ったところでたまり醤油(本式のもの)を大さじに2杯加えて、火を中強火に上げて3分ほど煮たら火を切って冷ます。これでできあがりとなる。あくをとることの目的は、ひとつには汁を濁らせないことであり、もうひとつには雑味を取り除いていくという点にある。肉がいいものなら、あくとりはしない方がいい。
一晩寝かせるとすばらしい時雨煮に仕上がっていた。これを白ご飯に好きなだけ乗っけて、かき込むようにして食べる。イノシシの脂身の甘みと切れのよさには飽きることがない。夏バテの毎日にはたいへんありがたい差し入れとなった。
さて、先週はフォロワーのけもさんから、陣中見舞い的にさまざまな食材を恵送いただいた。そのうちに実に良質なイノシシの肉があった。私がイノシシのすばらしさを知ったのは、シゲさんのお爺さんのとったものを食べさせてもらったときに遡る。実に15年も前のことになる。おっかなびっくりな私に、シゲさんは普通の肉みたいに焼き肉にして食べると教えてくれた。それまでは、イノシシの肉は味噌のぼたん鍋にして食べないと臭くて食べられないと聞かされていた。しかしこれは明らかな誤りであって、塩コショウだけでホットプレートで焼いたしし肉は忘れ得ないうまさだった。あれは処女雌だった。それからというもの、幾度となくイノシシを食べ、その質のばらつきに毎回の発見がある。
さて、今回のものは封を切って匂いを嗅ぐだけで明らかに質のいいものだと分かる。まずは何の工夫もなく、玉ねぎと空芯菜と塩コショウで炒めてみる。これがとびきりのいいものだと分かる。逆に言うと、全くクセのないもので若干の物足りなさすらあるものだった。そこで、残りについては香り付けした湯で湯引きと、そして時雨煮を作ってみた。ここでは時雨煮について書き留めておきたい。
時雨煮にもさまざまなスタイルがあるだろうが、今回はとにかく肉のよさを活かしたい。水1カップ半に新ゴボウ1本を粗いささがきにして加え、火にかける。新ゴボウはあくが少ないので、ささがきにしたらさっと水洗い程度で火にかけていい。中火で煮たったら少しだけ火を弱めて、15分ほど煮る。ここへざらめを大さじ1加えて、また5分煮る。酒1カップを加えて火を中火に戻し、煮立ったところへイノシシのロース肉200グラムの薄切り肉を粗切り、しかしほとんど切らないで少しずつ落とし、箸でほぐしながらそのまま火を通していく。あくはとらないこと。火が完全に通ったところでたまり醤油(本式のもの)を大さじに2杯加えて、火を中強火に上げて3分ほど煮たら火を切って冷ます。これでできあがりとなる。あくをとることの目的は、ひとつには汁を濁らせないことであり、もうひとつには雑味を取り除いていくという点にある。肉がいいものなら、あくとりはしない方がいい。
一晩寝かせるとすばらしい時雨煮に仕上がっていた。これを白ご飯に好きなだけ乗っけて、かき込むようにして食べる。イノシシの脂身の甘みと切れのよさには飽きることがない。夏バテの毎日にはたいへんありがたい差し入れとなった。