正月明けに小豆粥を食べる家庭がある。それは1月7日であったり、15日であったり、20日であったりする。小豆は邪気を祓うという。小豆粥の習慣は地域を限定しないし、家庭によってはさまざまな時期に食べていた。私は特に時節に関係なく、小豆と出会ったら買ってきて作る。量り売りのものを量ってもらって買い求めるのが何よりうれしい。
小豆粥の作り方はいたって簡単だ。ここでは二人分と仮定する。小豆は好みのものを選ぶけれど、小粒がいい。小豆でなくささげてもいい。小豆2分の1カップは洗って鍋に十分な水とともに入れ、水から中火で炊いて、沸騰して数分でざるにとり茹で汁を捨てる。すぐに新しい水を3カップほど加えて、中火で15分ほど炊いておく。ここへ洗った米2分の1合を加え、水3カップを足してまた中火のままで炊く。吹き零れそうになる場合には少し火を弱める。20分ほど炊いたら塩をひとつまみ、砂糖をひとつまみ加えて(砂糖は好みでなくてもいいが、なぜか加えるとうまい)、あとは米粒が好み硬さになったところで止める。水気が足りなければ適当に差し水したらいい。
この小豆粥には甘栗やさつまいもがとても合う。甘栗の場合には煮上がる直前に大きめに刻んだのを加えるし、さつまいもなら角切りにしたものを米と同時に加えて炊く。小豆粥の中に浮かぶほのかな甘みがやみつきになる。舟和の芋ようかんでもいい。けれど、やっぱりいちばんは甘栗で、ちゃんと皮つきのものを買ってきて剥いて使う。香ばしさが段違いだ。