今月が終わろうとしている。思えば先月、今月と出張つづきの慌ただしい日々だった。今月に至ってはそのうえの金欠きわまれりで、ろくなものを食べていない気がする。
福岡ではときどき、開いた生のマアナゴを見かけることがある。愛知県や三重県の海の近くではめそっこサイズの小さなもの、この開きは比較的身近な食材だった。しかしここ福岡では、マアナゴはいつもあるというわけではなく、量的にまとまらないときなどに入荷していると思われる。サイズは大きく、概して安く、そして、ときに非常に質のよいものが混じっている。
この日は本当にいいマアナゴがあったので、余裕を見つけてアナゴ二題とした。片身でも指4本程度の身幅がある大アナゴは、皮のぬめりを少し取ってからヒレを切って幅5ミリ程度に刻む。たっぷりの湯に塩をひとつまみ加えて、沸騰したら味噌漉しにアナゴを入れて湯引きにする。引きすぎてはよくないので、中に生の部分が残るように気を付ける。冷水で締めて、水気を絞って盛り付ける。なにもつけなくても噛み締めるほどにうまいし、一切のあなご臭さが出てこない。もちろん、柑橘を搾ったり、ポン酢をかけてもいい。これは質のいいものだから出せる味だ。切り身で売られているものであっても、きちんと締めてあることがよく分かる。
さてもう一題は地物の中くらいの焼きアナゴ。北九州では焼きアナゴを店頭でときどき目にするのが、瀬戸内海っぽくて面白い。このアナゴは適当に切って、使い古しの昆布とともに煮る。沸騰してあくをとったらしょうゆと酒を半々で加えて、さらに長ねぎを加えて煮る。砂糖を使わない、醤油煮である。焼き魚は醤油煮がいい。アナゴの風味が生きる料理だ。
福岡ではときどき、開いた生のマアナゴを見かけることがある。愛知県や三重県の海の近くではめそっこサイズの小さなもの、この開きは比較的身近な食材だった。しかしここ福岡では、マアナゴはいつもあるというわけではなく、量的にまとまらないときなどに入荷していると思われる。サイズは大きく、概して安く、そして、ときに非常に質のよいものが混じっている。
この日は本当にいいマアナゴがあったので、余裕を見つけてアナゴ二題とした。片身でも指4本程度の身幅がある大アナゴは、皮のぬめりを少し取ってからヒレを切って幅5ミリ程度に刻む。たっぷりの湯に塩をひとつまみ加えて、沸騰したら味噌漉しにアナゴを入れて湯引きにする。引きすぎてはよくないので、中に生の部分が残るように気を付ける。冷水で締めて、水気を絞って盛り付ける。なにもつけなくても噛み締めるほどにうまいし、一切のあなご臭さが出てこない。もちろん、柑橘を搾ったり、ポン酢をかけてもいい。これは質のいいものだから出せる味だ。切り身で売られているものであっても、きちんと締めてあることがよく分かる。
さてもう一題は地物の中くらいの焼きアナゴ。北九州では焼きアナゴを店頭でときどき目にするのが、瀬戸内海っぽくて面白い。このアナゴは適当に切って、使い古しの昆布とともに煮る。沸騰してあくをとったらしょうゆと酒を半々で加えて、さらに長ねぎを加えて煮る。砂糖を使わない、醤油煮である。焼き魚は醤油煮がいい。アナゴの風味が生きる料理だ。