異常に暑い夏が過ぎようとしている。
この暑さは、確実に農作物にも影響している。豆作りも困難をきわめたらしいが、幸いにして今年も、すばらしい出来のだだちゃ豆を恵んでいただいた。しかも量はたっぷりある。
少量ずつに小分けして湯がき、今年もやはり豆ご飯を作った。注書きのとおりに豆というかさやをこすり合わせるようにして洗い、塩を加えたたっぷりの湯で湯がいていく。火が入ってくるとトウモロコシのように甘く爽やかな香りがただよう。暑い暑い残暑の口の中に涼しさを運んでくる。豆ご飯にするものはかたゆでだ。沸騰した湯の中に入れて強火のまま、1分半で取り上げて氷水で冷やす。あらかた冷えたら豆とさやとに分ける。米は少しだけもち米を混ぜ、1時間ばかり吸水させてから(水はやや少なめにした)豆とさやを両方入れて早炊きで炊く。さやに塩気があるので、味付けなし。
豆はあと入れの方がうつくしい。けれどこの日は一緒に炊いた方がいいと思った。これは甘さと、香りとを食べるものだ。