あぶってかも、という言葉を聞いて、その正体が分かるというひとはきっとそうは多くはないだろう。今や博多、そして福岡の夏の風物詩となっているこの得体の知れない料理、これはスズメダイという小魚の焼いたものだ。福岡市内のスーパーマーケットには、5月も半ばにもなるとこのスズメダイが店頭に並び始める。大抵はすでに塩の当ててあるもので甘塩、などと書かれていて、生のものはなかなか売っていない。また、今やあぶってかもという表記で売られているこの魚、従来ではこれは料理の名前なのであって、博多湾界隈ではカジキリと呼ばれていた。舟のかじを切るのに邪魔になるくらい、たくさん湧くようにいるからだそうだ。この呼び名は今も周辺の離島に残っている。
スズメダイ、カジキリはとにかく炙るというか、よく焼く。これがあぶってかも(炙って噛む)になる。鱗も、内臓も取らないで、そのまま焼く。じっくりと時間をかけて、やや強い火で焼くのが肝腎だ。
これぐらいしっかり焼くと、体から染み出た脂で鱗が揚がり、鱗ごとばりばり、というより、ほくほくさくさくと食べられるようになる。ただし、骨はオセンゴロシの名があるようにとても硬いので注意が必要。
この料理が有名になった由来については帯谷瑛之介が「戦後になって東京、大阪からの客がもっと珍味を…と求めるのに、篠原雷次郎さんがやま弥の女将をたきつけて出させてみたんです。ところが評判がよくてパーッと全国に広がったというわけです。」と明言している。それまでは魚屋では扱ってもらえない、八百屋にあるような下の魚だったという。塩漬けで食べられる魚はほかにもあったのではないだろうか。
ところであぶってかもを食べてみて、そのまま食べるには少し塩辛い。直感的に焼き浸しに向いているのではないかと思った。それで、冷ましたあぶってかもに湯をかけたあと、水から弱い火でしばらく煮てみた。これはおいしい。茶で薄めてご飯を入れて食べるのもよさそう。ということでこの焼き浸しの煮汁を茶で薄めて、茶漬けにもしてみた。これは本当に大正解のうまさだったことを表明しておく。
スズメダイ、カジキリはとにかく炙るというか、よく焼く。これがあぶってかも(炙って噛む)になる。鱗も、内臓も取らないで、そのまま焼く。じっくりと時間をかけて、やや強い火で焼くのが肝腎だ。
これぐらいしっかり焼くと、体から染み出た脂で鱗が揚がり、鱗ごとばりばり、というより、ほくほくさくさくと食べられるようになる。ただし、骨はオセンゴロシの名があるようにとても硬いので注意が必要。
この料理が有名になった由来については帯谷瑛之介が「戦後になって東京、大阪からの客がもっと珍味を…と求めるのに、篠原雷次郎さんがやま弥の女将をたきつけて出させてみたんです。ところが評判がよくてパーッと全国に広がったというわけです。」と明言している。それまでは魚屋では扱ってもらえない、八百屋にあるような下の魚だったという。塩漬けで食べられる魚はほかにもあったのではないだろうか。
ところであぶってかもを食べてみて、そのまま食べるには少し塩辛い。直感的に焼き浸しに向いているのではないかと思った。それで、冷ましたあぶってかもに湯をかけたあと、水から弱い火でしばらく煮てみた。これはおいしい。茶で薄めてご飯を入れて食べるのもよさそう。ということでこの焼き浸しの煮汁を茶で薄めて、茶漬けにもしてみた。これは本当に大正解のうまさだったことを表明しておく。