せんば煮、またはせんば汁という料理がある。これは今や大阪の郷土料理のひとつであって、塩さばと大根ありきのもののように思われているけれど、塩魚さえ使っていさえすればなんでもありの料理だ。実際に古い書物を読んでみると、「鰹、鮭ノ類ノ塩漬魚ヲ、湯ニテ煠デコボシ、鰹節煮出汁ニテ煮タルモノ」とあったり、あるいはタイなど、ほかの魚も登場する。要するにある程度大きな魚を使えばいいということだ。
2キロくらいのスマを片身をとって、残りの頭や骨はつけたままで分けてもらってきた。スマはカツオの仲間で、小さくてもうまみの強いいい魚。私はこれのいいものがあるとついつい後先考えずに買ってしまう。もちろん身の部分は刺身やたたきにして食べてしまい、頭と中骨(背骨)、腹のところが残る。中骨にはまだまだ、いわゆる中落ちがついていて、骨からはだしもとれる。そういうわけで、これを使ってせんば煮を作ってみることにする。スマのあらは適当に切り分け、頭は半分に割ってからカマのところを切り分け、全体に塩を振る。塩焼きくらいの分量でいい。これを冷蔵庫で2日間置く。鍋に湯を沸かして、塩の馴染んだあらを加えて、表面をしっかりと湯引きする。ざるにとって冷水で洗う。鍋にかつおだしを沸かして、あらを加えたら強火か、それより少し弱い火で煮る。あくがたくさん出てくるので丹念にとる。あくが出なくなったら薄口醤油と酒、ほんの少しのみりんを加えて煮る。あらから塩気が出てくるから、醤油を入れすぎないこと。あとは好みの野菜というか、時季の野菜を加えたらいい。この日は冷蔵庫にあったおくらと、玉ねぎを入れてみた。もちろん冬場ならこれが大根になるのだろう。大根を使うときには一度茹でこぼしたほうがいい。また冬場などは生姜を細く刻んで加えると体があったまっていいだろう。
玉ねぎの甘みと、スマの酸味とが合わさって夏向きの味わいになった。魚あらの料理、質素な中にも遊び心が大切だ。
2キロくらいのスマを片身をとって、残りの頭や骨はつけたままで分けてもらってきた。スマはカツオの仲間で、小さくてもうまみの強いいい魚。私はこれのいいものがあるとついつい後先考えずに買ってしまう。もちろん身の部分は刺身やたたきにして食べてしまい、頭と中骨(背骨)、腹のところが残る。中骨にはまだまだ、いわゆる中落ちがついていて、骨からはだしもとれる。そういうわけで、これを使ってせんば煮を作ってみることにする。スマのあらは適当に切り分け、頭は半分に割ってからカマのところを切り分け、全体に塩を振る。塩焼きくらいの分量でいい。これを冷蔵庫で2日間置く。鍋に湯を沸かして、塩の馴染んだあらを加えて、表面をしっかりと湯引きする。ざるにとって冷水で洗う。鍋にかつおだしを沸かして、あらを加えたら強火か、それより少し弱い火で煮る。あくがたくさん出てくるので丹念にとる。あくが出なくなったら薄口醤油と酒、ほんの少しのみりんを加えて煮る。あらから塩気が出てくるから、醤油を入れすぎないこと。あとは好みの野菜というか、時季の野菜を加えたらいい。この日は冷蔵庫にあったおくらと、玉ねぎを入れてみた。もちろん冬場ならこれが大根になるのだろう。大根を使うときには一度茹でこぼしたほうがいい。また冬場などは生姜を細く刻んで加えると体があったまっていいだろう。
玉ねぎの甘みと、スマの酸味とが合わさって夏向きの味わいになった。魚あらの料理、質素な中にも遊び心が大切だ。