ついに秋が深まってきて、夜には涼しさというよりも寒さを感じるようになった。私はあらゆる炊き込みごはんを愛しているけれどもこの時期やっぱりやりたくなるのがむかごごはん。炊くと部屋いっぱいにむかごの香りが充満するのがすきだ。むかごというのは、山芋のつるに実る丸い実(ただし実際には実とは言えない)で、油で炒めて塩をつけて食べるのもいい。とにかく香りがすばらしいのだ。
むかごごはんはどうやってもうまいものだけれど、ひとつ言えることとしてもち米の比率は高い方がうまいと思う。むかごの小さい1パックを、2合分の米と合わせる。すなわち、うるち米ともち米とを1合ずつ合わせて、30分ばかり浸水させる。水の量は1.8合くらいにしてから、ここに酒を大さじ3、うすくち醤油を大さじ1.5。油揚げはいわゆる普通の安いすしあげを2枚、半分に切ってから細切りする。コウタケの塩漬けをひとつ、表面の塩気をしっかり洗い落としてから細かく刻む。むかごは適当に洗って、すべて炊飯器に放り込んで炊き込みごはんモードで炊く。
このうえない秋のぜいたく。大粒で、ねっとりとして最高のむかごだった。コウタケの塩気があるので塩気を控えたが、これがなければうすくち醤油をもう少し多くするか、塩を加えたらいい。